きんちゃんの日本百名山日本ニ百名山→安平路山


安平路山
日  時 2008年9月14日(日)
山  名 安平路山(あんぺいじやま)2363m
山  域 長野
メンバー 単独

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コースタイム
9月14日(日)晴れ
岸和田 前日15:00 = 阪和・近畿自動車道 = 吹田JCT = 名神・中央自動車道 = 園原IC = 19:30 伊那谷温泉・満願成就の湯 = 園原IC = 神坂PA(仮眠) 5:00 = 中津川IC(Uターン) = 飯田IC =7:10 摺古木自然園休憩舎 7:30 − 8:20 分岐 8:20 − 8:45 摺古木山 9:00 − 9:53 白ビソ山 10:00 − 10:25 安平路小屋 10:25 − 11:08 安平路山 11:20 − 11:38 水場 11:45 − 11:55 安平路小屋 12:05 − 12:32 白ビソ山 12:45 − 13:30 摺古木山 13:45 − 14:00 分岐 14:05 − 14:41 摺古木自然園休憩舎 15:00 − 16:26 信州たかもり温泉・御大の館 17:00 = 松川IC = 中央・名神高速 = 吹田JCT = 阪和・近畿自動車道 = 21:40岸和田

 前日の午後3時に岸和田を出発。中央自動車道を園原ICでおりて、ネットで検索した伊那谷温泉・満願成就の湯へ。食事をとりゆっくり温泉に浸かった後、阿智PAで仮眠しようと再び園原ICから中央自動車道に入る。ところが園原ICがハーフIC(進行方向に制限のあるIC)であったため、阿智PAとは逆の中津川方面に戻る破目になってしまった。まったくなにをしていることやら。とりあえず、眠いので次の神坂PAで仮眠する。

 神坂PAを4時に出発する予定が、寝過ごして5時出発となってしまった。しかも雨が降ってきたので、今日の行程を考えると厳しいものがあり、このまま帰ろうかと弱気になったが、いやいやここで帰ると後悔すると思い直し、中津川ICに向けて出発する。中津川ICをおりてUターン、再び中央自動車道に入り飯田ICへ。まったく無駄な動きをしていると、少々焦る。結局、大平宿から東沢林道に入り、終点の摺古木自然園休憩舎に着いたのが7時10分であった。雨は一時のものだったようで、天気の心配はなさそうだ。

 東沢林道は、未舗装のすごい悪路であった。私が今まで経験した林道の中では一番の悪路ではないかと思う。また、松川ダムから飯田峠を越えて大平宿までの道も、舗装はされているが1車線の曲がりくねった道が延々と続き、ウンザリした。

摺古木山頂上
 東沢林道を半分くらい走ったところで単独行の男性が歩いていた。どこに行くのかと聞くと、摺古木山に登るというので乗せてあげる。単独行氏は、林道が通行止めと思い、大平宿から歩いてきた。昨日と今日、昔の仕事仲間(以前、長野に勤めていたらしい)が大平宿に集まり、親交を深めている。今日は自由行動で、バイクでツーリングをするものや、各自思い思いに過ごし、明日東京に帰ると言っていた。
 大平は、昭和45年に過疎のため廃村となったが、その後、大平宿を残す会が改修を重ね「いろりの里大平」として甦った。各戸は一般に開放され、電気、水道も完備し、宿泊もできる。民家旅籠を一軒まるごと借りきって泊まり、昔懐かしい不便な生活を体験できることで、小中学校の林間学校などに利用されているらしい。

 東沢林道の終点部分は少し広くなっていて5台程度の駐車スペースがある。私が着いた時は2台の車が停まっていた。トイレは、林道終点の約50m手前にある。
 単独行氏が先に出発し、私も準備を整えて7時30分に出発する。

 出発してしばらくは急な登りが続くが、しだいに傾斜もゆるくなり風穴山を巻くように続く。小沢を幾つか渡るため、水に困ることはない。最初、登山道のササが刈られていて楽勝かなと思ったが、それは甘い考えで、ササが刈られていたのは直登コースと摺古木展望台に分かれる分岐までだった。私は、距離の短い直登コースを選ぶ。分岐からはササが刈られていないので、いよいよササのヤブこぎがはじまるのかと思ったが、案外それほどでもなく、分岐から25分で摺古木山頂上に着いた。

 頂上では、単独行氏が休憩しており、濡れたズボンを干していた。単独行氏は展望台コースを登ってきたのだが、ササの露でビショビショになったらしい。直登コースはそんなことはなかったが、展望台コースはササがひどいようだ。 

笹におおわれた登山道(摺古木山から白ビソ山に向かう途中)
 単独行氏の話を聞いて不安になり、白ビソ山方向の登山道を覗くと、なんとササで覆いつくされているではないか。ササはそんなにひどくはないのかも・・・と、淡い期待を抱いたが、そんなに甘くはなかった。なるほど、すごいササである。これが安平路山のササかと妙に感心する。
 ササの露で濡れるので、ズボンをレインウエアに履き替え、ササやぶに突入する。

 摺古木山を出発してしばらくは急な下りが続くが、すぐにゆるやかになる。ササはだいたい胸の高さくらいだが、深いところでは背丈以上のところもある。ササをかき分けながら進んでいると、5人パーティと出会う。もう安平路山に登ってきたのかと思ったら、昨日は安平路小屋に泊まったそうだ。ササの状態が気になるので「ずっとササはこんな調子ですか?」と聞くと、「そうです、延々とこんな調子です」と、もうウンザリだという口調で返ってきた。この言葉を聞いて、あらためて安平路山のササの凄さを実感し、思わず気合を入れた。

白ビソ山頂上
 ザザー、ザザーとササをかき分けて進むこと53分で白ビソ山に到着。白ビソ山頂上は標識がなければ通り過ぎてしまうほど特徴がない。

白ビソ山から安平路山方向の登山道
 白ビソ山の周囲はササの海である。赤テープと、かすかなササの窪みが登山道の目印だ。登山道の上部はササで覆われているが、低いところは空洞になっており、足元の抵抗はないので歩くのはそんなに大変ではない。ただ、登山道が急角度に曲がっているところがあり、気がつかずに直進すると足元の抵抗が急に増えるのでコースを外れていると分かる。そのまま強引に進んでコースに復帰出来る場合もあるが、引き返さなければならない時もある。

安平路小屋
 白ビソ山から25分で安平路小屋に着いた。小屋を覗くが誰もいなかった。小屋の奥の真ん中に見えているのが安平路山だ。まだ、かなり距離があると感じた。

安平路小屋から白ビソ山方向
 小屋から白ビソ山方向を振り返る。ササがビッシリと生い茂り、どこが登山道かわからないほどだ。

安平路山頂上
 安平路小屋を出発してしばらくはササが一段と生い茂り、慎重に登山道を外さないように進む。ササをかき分けていると、3人パーティと出会った。小屋にザックをデポしてあったので、空荷で安平路山を登ってきたようだ。安平路山まで1時間くらいかかりますかと聞くと、そんなにかからないと言う。逆にササダニがいるからと脅かされた。半袖のTシャツで登っていたので、思わず腕にダニがついていないか見る。大丈夫のようだ。ササダニがつくといやなので、レインウエアを着て登るが、暑くて着ていられない。先に出会った5人パーティも半袖のTシャツで歩いていたのを思い出し、ササダニはいないものと判断し、頂上に着くとレインウエアを脱いだ。
 3人パーティの言うとおり、小屋から安平路山まで43分で着いた。

安平路山頂上から奥念丈岳方向
 安平路山頂上は、ササに囲まれて展望はまったくない。上の写真には、奥念丈岳に続く登山道が写っているのだが、ご覧のとおりササが密集しており、登山道を探すがよくわからなかった。この安平路山から奥念丈岳の間は、ササが一段と密集しているため通過困難なコースとして知られ、このコースに入るのはヤブの愛好家かマニアックな登山者の領域だろう。私はこの状態を見て、単独ではとても踏み込めないと思った。

安平路山頂上から安平路小屋方向
 登ってきた方向は、ご覧のとおり奥念丈岳方向に比べてかなりましなのがわかると思う。真ん中の窪んでいるところが登山道で、これならまだ行く気になるというものだ。

 頂上から18分下ったところに水場がある。水場は、登山道から10mほど離れたところにあり、水筒にいれるにはコップが必要である。水場は、標識があり見落とすことはないだろう。

分岐
 帰りは来た道を忠実に戻る。コースを外さないよう神経を集中して、ザザー、ザザーとササをかき分けて進む。安平路小屋付近で3人パーティと会ってからは、今日はもう誰にも会わなかった。ササが最もひどいのは、摺古木山から白ビソ山の間と、安平路小屋周辺(安平路山方面)であった。白ビソ山と安平路小屋の間は、そんなにひどくはなく、普通に歩けるところも結構あった。上の写真を見てのとおり、摺古木自然園休憩舎から分岐まではササが刈られているので快調に歩ける。

摺古木自然園休憩舎
 無事、摺古木自然園休憩舎に帰り着く。所要時間は、登り3時間38分、下り3時間21分であった。

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