きんちゃんの日本百名山関西百名山→吉野山

百貝岳から青根ガ峰
日  時 2009年1月3日(土)
山  名 青根ガ峰(あおねがみね)857m
山  域 大峰山脈北部
メンバー 単独

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コースタイム
1月3日(土)曇り
岸和田 4:20 = R168 =7:20 滝谷橋 7:30 − 石仏山の手前(撤退) − 10:00 滝谷橋 10:10 = R168 = 12:05 春日神社 12:20 − 12:58 百貝岳 13:10 − 13:45 西行庵 13:50 − 14:17 青根ガ峰 14:30 − 14:42 金峯神社 14:50 − 15:50 春日神社 16:00 = 18:30 岸和田

 今日は、ほんとうは中八人山を登る予定であった。実際、自宅を早朝に出発し、滝谷橋から登りだしたのだが、予想外の積雪量と不安定な天候のため、石仏山の手前999mピークで撤退したのである。このまま温泉に入って帰ろうかとも思ったが、せっかくここまで来たのだから、帰り道にちょっと寄り道をして吉野山を登って帰ることにした。

 桜の名所である吉野山は、山頂近くまで自動車道が通じているため、登山の対象としてはあまり魅力はないが、名所旧跡が多く、歴史探訪や花見には適している。登山道としては、吉野駅からの大峯奥駈道のほか、東の大滝・龍泉寺から青根ガ峰に至るコース、西の地蔵峠から鳳閣寺・百貝岳を経て青根ガ峰へのコースなどがある。
 大峯奥駈道はいずれ歩くとして、今回は地蔵峠から登ることにした。

 山と渓谷社発行の「関西百名山」では吉野山のことを次のように紹介している。
 「吉野山とは、蔵王堂、如意輪寺から、高城山(つつじガ城跡)、青根ガ峰を含む広い範囲の山域を示した名称で、特定のピークを示すものではない。したがって、国土地理院の地形図で吉野山というピークを探しても見当たらない。以前は高城山を最高峰と見なし、これを吉野山とした時期があったようだが、今は青根ガ峰を吉野山の最高峰とするのが一般的である。」

地蔵峠
 地蔵トンネルが開通しているため、地蔵峠は通行車両も少なく、ひっそりした佇まいである。地蔵峠には、地蔵の水と地蔵堂がある。地蔵の水からは、水量は少ないがこんこんと水が湧き出ていた。上の写真は、北から南の方向を撮影したもので、峠を越えるとすぐ左手に鳳閣寺への道が分岐する。

春日神社
 鳳閣寺手前の春日神社には2〜3台程度置ける駐車場があり、そこに車をとめさせてもらう。 鳳閣寺に行くには、春日神社鳥居の左の道を登っていくのだが、急坂なのと鳳閣寺には駐車場がないので、車で上るのは止めたほうがよいだろう。

鳳閣寺
 百貝岳へは、鳳閣寺境内を右手に回り、宿坊の裏から登る登山道が付けられている。私はそれに気付かず、春日神社からの道をそのまま進み、吉野山への道標に導かれて百貝岳を巻く道に入ってしまった。こちらからでも百貝岳に登れるのだが、若干遠回りになる。

 百貝岳は、聖宝理源大師が大峰にすむ毒蛇を退治するため、この山に登ってホラ貝を吹きならして大蛇を呼び寄せたが、その音がまるで百のほら貝が一斉に鳴ったかのようであったことからこの山名がついたと言われている。また、この時の大ホラ貝と大蛇の頭骨が宝物になって今も鳳閣寺に残されているらしい。

百貝岳頂上
 百貝岳を巻く道をしばらく行くと分岐があり、右手に百貝岳への道標に従い登っていくとまた分岐があり、左に行くと吉野山方向で、百貝岳へは真っ直ぐ進みすぐである。
 頂上には鳳閣寺からダイレクトに登る登山道が合流していて、道標もあった。
 昭文社の山と高原地図では、頂上から尾根伝いに吉野山に向かう道が記載されているが、実際は尾根伝いの道はなく、私が歩いてきた道を分岐まで戻り、分岐を右手にとって吉野山に向かうように登山道が付けられていた。

吉野桧
 吉野山に向けて下っていくと、ほどなく百貝岳を巻く道と合流する。このあたりは見事な吉野桧の植林で、思わず写真を撮る。
 吉野は風害が少なく、土壌は保水と透水性が極めて良く、杉・桧の育成には最適な条件が揃った地域とされており、その植林の歴史は古く約500年前の室町時代までさかのぼる。その吉野杉・桧は、日本三大美林の一つともいわれ、最高級のブランド材としても名高く、良く手入れされた植林を見ているとほんとうに気持ちが良い。
 植林の中を歩いていくと、西行庵の分岐に出た。右に行くと西行庵で、真っ直ぐ行くと大峯奥駈道に出る。青根ガ峰に行くには、真っ直ぐの方が近いのだが、せっかくなので西行庵に寄っていくことにする。

西行庵
 奥千本にある西行庵は、鎌倉時代の初めころ、西行法師が俗界をさけて、この地にわび住まいをしたところと伝えられている。桜の頃はもとより新緑・紅葉がとても美しいところと案内板にあった。
 近くには奥千本苔清水があり、水量は多くないが今も清らかな水が流れていた。

青根ガ峰頂上
 西行庵から苔清水をとおり、坂道を登っていくと大峯奥駈道の尾根に出た。尾根に出たところが宝塔院跡で、東屋や石碑、案内板がある。宝塔院跡から青根ガ峰に行くには、奥駈道を約1キロ南下すると旧女人結界碑があり、その分岐を左に入って178段の階段を登ると青根ガ峰頂上である。樹林に囲まれて展望は良くないが、木々の隙間から今登ってきた百貝岳が見えていた。

金峯神社
 青根ガ峰から金峯神社に参る。この時期、誰もいないので静かである。自動車道が通じていて、車でここまで来れるようだ。
 帰りは金峯神社から少し引き返し、奥駈道から鳳閣寺への道に入る。百貝岳には登らず、巻き道を通って帰ったが、巻き道は比較的平坦な歩きやすい道でした。
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