きんちゃんの日本百名山日本二百名山→杁差岳

飯豊山から続く

杁差岳
日  時 2009年8月3日(月)~4日(火)
山  名 杁差岳(えぶりさしだけ)1636m
山  域 新潟
メンバー 6人

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コースタイム
8月3日(月)曇り一時雨
御西小屋 5:45 - 6:30 天狗の庭 6:40 - 7:17 御手洗ノ池 7:25 - 8:43 烏帽子岳 9:00 - 9:45 梅花皮小屋 10:20 - 10:57 北股岳 11:15 - 12:18 門内岳 12:30 - 12:33 門内小屋 12:33 - 13:03 梶川尾根分岐 13:20 - 13:53 地神山 14:05 - 14:47 頼母木山 15:05 - 15:24 頼母木小屋(泊)

 一夜明けると、御西小屋はガスの中にあった。晴れそうで晴れず、結局、この日は頼母木山までガスの中を歩くことになり、しかも梅花皮小屋付近では1時間ほど冷たい雨にたたられた。それでも、たくさんの花が咲いていたので、花を見ながらの充実した山行となった。 

朝の御西小屋
 御西小屋は結構混んでいたが、それでも一人畳1枚分程度のスペースは確保出来た。我々は2階に場所を確保する。食事は、三国小屋のように2階でというわけにはいかず、1階でやることになる。
 夜中、他のパーティに歯ぎしりの凄い人がいて、全員寝られなかったとぼやいていた。
 小屋の前で管理人さんに記念写真を撮ってもらった。管理人さんに「雪渓のトラバースには気をつけて」の言葉に見送られ、5時45分に出発する。

天狗の庭
 天狗の庭まで順調に進み、御西小屋から45分で着いた。EK氏がしきりに「ガスが切れたら最高の景色がみれるのになあ~」を連発する。たしかに、飯豊連峰のど真ん中を歩く今日のコースで、ガスでなにも見えないというのは残念だ。
 天狗の庭という場所は火打山にもあるが、このガスでは全容がつかめず、どんなところなのかよくわからない。後続のパーティが来たので、休憩場所を空けるため、御手洗ノ池を目指して出発する。

御手洗ノ池
 天狗の庭から御手洗ノ池まで37分で到着。あいかわらずガスの中。
 雨が降ってきたので傘をさすと、しばらくして雨が止む。こんなことを繰り返しながら、縦走路を行く。

露に濡れるニッコウキスゲ
 ほんとうに花がいっぱい咲いていました。
 御手洗ノ池を過ぎると、御西小屋管理人さんの言っていた、雪渓のトラバースで1箇所危険なところがあった。かなりの急斜面である。滑落すれば数百メートルを一気に落ちていくだろう。急斜面は危険なので、雪渓の上部の平らなところまで巻くことにして、草付きの斜面を慎重に登る。ザックが重いので、バランスが崩れると大変で、非常に神経をつかったところだ。

烏帽子岳頂上
 烏帽子岳の登りは大変であった。登るのに約1時間はかかっただろうか。こんな長い登りがあるとは想定していなかったので、なおさらだ。
 昨日の御西小屋で、99座を達成した安堵感からか、ウイスキーを少し飲みすぎたようで、どうも体が重く、この烏帽子の登りはしんどかったです。

北股岳頂上
 烏帽子岳から梅花皮小屋に下る途中で、とうとう雨が本降りとなった。雨具を着込み、梅花皮小屋に逃げ込む。小屋の管理人さんに断り、小屋の中で昼食をとることにした。雨のため、梅花皮小屋の写真は撮らなかったが、この小屋の居心地もよさそうだ。しかも、トイレはほんとうの水洗なのにはびっくりした。水洗といえば、朝日連峰を思い出す。朝日連峰の小屋もよく整備されて、トイレの水洗化が進んでいた。
 梅花皮小屋から1ピッチの37分で北股岳に登る。北股岳に登る途中で雨が止み、暑いので雨具の上を脱いで登った。頂上では、もう雨は降らないだろうと雨具の下も脱ぐ。
 北股岳に着くも、相変わらず体が重く、本日の目的地である頼母木小屋まで行けるのか、少々不安になってきた。調子が悪ければ、門内小屋泊まりでもよいか・・・とも思ってきた。

門内岳への登り
 北股岳から門内岳へは案外楽に行けた。門内岳の登りもそんなに大したことはなかった。天候が回復し、ガスが切れて視界がききだし、目標が見えてきたという精神的なものがあるのかもしれない。

門内岳頂上
 天候は回復傾向だが、ガスが完全に切れるのはもう少し時間がかかるようだ。

門内小屋はガスの中
 門内岳から門内小屋まですぐそこの距離であった。

門内小屋
 門内小屋にも鐘が設置されていた。鳴らしてみると、「カーン」とびっくりするような大きな音が鳴った。
 現時刻はまだ12時33分。体調も良くなってきたので、門内小屋は素通りして予定どおり頼母木小屋に行くことにする。

梶川尾根分岐、正面に梶川尾根
 梶川尾根分岐点周辺は道が2段になっている。門内岳からは30分ごとに休憩ポイントがあり、歩きやすい。次の休憩は地神山だ。

地神山頂上
 13時53分、地神山着。晴れ間が出てきたが、ガスは完全に切れず、視界はあまりよくない。

ガスが晴れて頼母木山が姿を現す
 地神山を出発してしばらくすると、ようやくガスが切れ出し、頼母木山が姿を現した。歓声が上がる。やはり、山は天気が良くなくては・・・と、あらためて思った。

頼母木山頂上
 14時47分、頼母木山着。御西小屋を出発してからすでに9時間を過ぎている。昨日に続き、今日もよく歩いている。

頼母木山頂上から頼母木小屋を俯瞰する
 頼母木山の頂上からは、頼母木小屋が真下に見えている。手が届くようなところに見えているが、実際歩くと19分かかった。

頼母木小屋
 15時24分、頼母木小屋着。居心地がよかったです。昨日のように歯ぎしりやいびきをかくような方はおられませんでした。小屋は空いていて、2階は我々だけで、自由気ままに使えました。
 頼母木小屋のトイレには自転車が置いてある。なぜ置いてあるのか?それは、トイレの使用後、おがくずをかき回すために、この自転車のペダルを漕ぐのである。たしか、前に20回以上、後に10回以上と書いてあったように思う。門内小屋のトイレの前を通った時も、この自転車を見かけました。その時はなんだろうと思ったのですが、こういうことだったのです。

頼母木小屋の水場
 頼母木小屋の一番のポイントは、何といってもこの水です。冷たい美味しい水が、なんと流れっぱなしになっているのです。縦走を続けていると、この水が一番うれしく、ぜいたくでもあります。冷たい水で手を洗い、顔を洗い、歯を磨いてさっぱりしました。生き返るようです。

オクラをカツオブシと醤油で食べる
 頼母木小屋の水の恩恵を受けるため、EK氏がここまで担ぎ上げてくれた食材に舌鼓を打つときがきました。天気が良いので、外でディナータイムとします。シェフはEK氏、助手はFK氏で、どちらがシェフで助手かわからない絶妙のやり取りの中、次々と料理が作られていきます。
 先ずは、オクラです。オクラを塩でゆでて、カツオブシと醤油でそのままガブッと食べます。山の中での生野菜は貴重で、本当に美味かったなあ~。

モチはきな粉と黒蜜で
 オクラの次はモチ。ゆでてきな粉と黒蜜で食べます。最高です。

スパゲッティ
 スパゲッティを食べるシェフのEK氏。ご満悦です!

頼母木小屋での夕食風景(バックは頼母木山)
 天気はますます良くなり、もう腹いっぱいで動けません。ゆっくりした時間が流れます。S氏とI氏も大満足です。
 ガスと雨の中を歩いた今日の出来事が嘘のように晴れてきました。

頼母木小屋から地神山を望む
 地神山の雄大さにびっくりしました。門内岳から縦走してくるとよくわからなかったのですが、ここから見ると、地神山はとても大きな山だというのがわかりました。飯豊連峰のスケールの大きさをあらためて実感させられました。

雲海に浮かぶ杁差岳
 雲海の向こうに杁差岳が見えています。まだかなり距離がありそうです。杁差小屋も頂上の左手にポツンと見える。

滝雲
 滝雲が大石山との間を流れていく。幻想的な景色です。右端の山は鉾立峰。

日本海に日が沈む
 日本海に夕日が沈む。新発田や新潟の市街が見えている。
 夜中、星を見に外に出たが、月が明るくて星はあまり見えなかったです。

杁差岳2に続く
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